写真帖 秋田の路面電車 無明舎出版 「写真帖 秋田の路面電車」は、東北地方の鉄道史、特に路面電車の短くも濃密な歴史を追体験できる貴重な一冊 明治の馬車鉄道に始まり、大正11年に本格的な路面電車の運行を開始、そして市民の悲願であった秋田駅前〜土崎間の全線開通を果たしながら、わずか14年間という短い命で昭和40年に姿を消した秋田市電。昭和40年代初頭に廃止された公営交通の専門書籍は現存資料が限られ、極めて希少価値が高いですが、その「あの日あの時」を、230葉を超える白黒写真で鮮やかに蘇らせています。 市街地中心部をはじめ、終点のひとつである自衛隊前（旧・将軍野）付近の様子や、タブレット（通票）の交換が行われた八柳停留所など、当時の路線の雰囲気が伝わってきます。また、新大工町車庫の情景、雪景色の中を走る電車の姿は、本州最北端の路面電車であった秋田市電ならではの厳しくも懐かしい情景です。 本書の魅力は、単なる走行写真集に留まらない点です。巻末の解説では、明治17年に開業した秋田馬車鉄道の歴史から詳細に掘り下げられており、秋田市電の技術的側面を示す軌道・架線・電柱などの諸元データ、さらに昭和30年代の乗車券（硬券・回数券）や当時の停留所と通票閉塞区間を示す表など、コアなマニア垂涎の資料的価値が非常に高い内容です。 発行は地元秋田の無明舎出版。地方の交通史を深く掘り下げた、まさに路面電車・地方私鉄マニア垂涎の資料集であり、大手出版社では決して手に入らない稀少な地方私鉄の記録として、その価値は計り知れません。 昭和の地方都市の風情、そして短い期間で姿を消した秋田市電への想いを募らせる方にとって、手元に置くべき決定版と言えるでしょう。 2017年 無明舎出版 113ページ #ほかの鉄道書はこちら #ほかの「廃止私鉄関連品」はこちら #ほかの地下鉄・路面電車関連品はこちら #ほかの公営交通関連品はこちら #廃線跡 #ローカル線 #私鉄廃止線 #ローカル鉄道 #廃墟巡り #古地形図 #街歩き #路面電車 #秋田市電 #秋田の路面電車 #無明舎出版 #秋田県立博物館 #秋田中央交通 #秋田馬車鉄道 #秋田駅前 #土崎 #地方私鉄 #東北地方 #鉄道資料 #鉄道写真集 #廃止路線