C.デイヴィスは75～76年にボストン響とシベリウス交響曲全集を録音しており、これは約20年ぶりの再録音である。デイヴィスは当時すでに LSOの首席指揮者就任（1995年〜）直前であり、この演奏を LSOにおけるシベリウス作品の集大成 と位置づけていた。①は格調高く深みがあり、木管や金管の表現が優れているとして、日本の評論・愛好家から最高レベルの評価を受けている。旧録音（BSO）と比べても優位に論じられることが多く「模範的で整った演奏」とされている。②も同じく自然体ながら色彩的に豊かで、生き生きとしたダイナミズムに溢れる演奏。建築的な明晰さと深い演奏構築、自然な響きで表現された名演である。なおデイヴィスは2003年～2008年にLSOとシベリウス交響曲全集をライヴで再録音している（LSOライヴ）。 コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団 シベリウス ①交響曲第2番二長調Op.43 ②交響曲第6番二短調Op.104 RCA海外(USA)盤(1995年製造) 録音：1994年、ブラックヒース・コンサート•ホール、ロンドン