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Yanyan
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そもそも「襟」とは何? 今更,何の「ためにも徳にもならない」疑問の考察に時間を割いてみる。 「服」の原型といえば,日本では「貫頭衣」が古代人の装い。当時の布は原始機*だったとすると布幅は狭く30 cmくらいだったと思われる。「貫頭衣」は、「一枚の布で」、頭が通過できる穴を開け,腕が出せる分だけを縫わずに前後の布地の端を縫い合わせたものと教授されていたが、近年の認識は、半幅ぐらいに織られた布地2枚を頭と腕を出す開口部を除いて縫い合わせたもの,という説が有力のよう。 その後の日本の衣装,「着物」への移行において近年の認識の方が構造的にも着物の原型と考える方が自然であり合理的でもある。 世界の他の地ではどうか。 古代ヨーロッパの機織も原始的なものではあったが、遺跡からは幅の広い布地の断片が発見されていることから、古代ヨーロッパの服の原型、「チュニック*」のような服を作るのに十分な幅の布を織っていたようである。 南米や台湾では、ポンチョで,これも同類の着衣である。 古代の服には、「襟」はまだ現れない。 「襟」の沿革をみるために,このあたりで西洋の服装史に焦点を絞ることにする。 襟が考案され使われる始めた時期は14cから15c初頭と言われており、防寒や衣服の補強を目的にしたスタンドカラーが出現する。服本体の襟ぐりの端にギャザーが寄せられたのが原型とも言われている。 16c中頃,ギャザーが発展して,独立したアクセサリーとして首に巻き付ける形式の,「ラフ*」がスペインで考案される。 ラフは、衣服を汚れから守る実用性からステータスを誇示するファッション性を帯び,16c後半から17cにかけて大袈裟なものへ進化、貴族や富裕層の老若男女の間で大流行する。現在,衛生的理由で、猫の首周りに付けるエリザベスカラーは、豪華なラフをこよなく愛したイギリスのエリザベス1世の名前を冠している。 17世紀後半、大流行の波が収束期に達しラフは控えめな形態になり,ネクタイの祖先の「クラバット*」が台頭する。 19世紀,現代的な折り返し襟が普及し、洗濯の負担を軽減する為に着脱可能な付け替え襟が発明される。 洗濯機の発明と普及により、襟は再び衣服本体の一部となる。 ご覧いただきありがとうございます。
1 month ago