アール・ヌーヴォー期の不思議のメダイです。出品者は、いろいろなアンティークメダイを集めてきたのですが、これまでに、1番熱を入れて蒐集してきたのが、不思議のメダイになります。不思議のメダイは、定型化されたデザインではあるものの、彫刻家、作者により、さまざまなマリア像や裏側のデザインがあります。こちらは、出品者が、個人的に、1番美しい、と感じているデザインの、不思議のメダイになります。 　まず、楕円の形が、縦横の比率が、やや長めで、優美な印象です。写真8枚目に現行品との比較を載せていますが、マリア像の柔らかいポーズ、衣装の細かな襞、指から伸びている光線も、普通のメダイは直線が平面的に入っているだけなのですが、こちらは透明で、奥行きを感じる光の筋になっています。地球の周りには、雲のような、天上的な雰囲気の霞がかかっているところなど、非常に絵画的です。バチカンの付け根部分も、単なる円ではなく、アール・ヌーヴォー的な、八の形の曲線になっています。カタリナ・ラブレーの見た聖マリアの姿、メダイのデザインは、「マリアの右手から左手に橋のように祈りの文字がかかっていた」そうですが、それを忠実に再現しているメダイはあまりありません。大抵、メダイの周りを一周ぐるっと文字が囲んでいるデザインがほとんどです。こちらは忠実に手から手への祈りの文字になっています。これほどの表現のメダイは、大抵作者が名前を刻むものなのですが、こちらには作者名はありません。私の推測ですが、作者名を刻むことで、カタリナの見たメダイのデザインへの忠実さが、損なわれる、と考えたのではないかと思います。こちらのメダイは、比較的数は作られていたものの、摩耗が激しいものが多いです。こちらも顔に若干摩耗が見られるのですが、古いものの味わいと感じてくださる方に。素材はシルバーをメインに含む合金です。バチカンはデフォルトのものではないようです。 メダイのみの出品で、チェーンは含みません。 メダイは、ペンダントトップのように、小さなアイテムですが、アップにして撮影しております。実際のサイズ感がつかみにくいと思いますので、画像の中の1円玉などを参考にしていただければ幸いです。 　アンティークゆえに、大変古いものになります。古いものの味わいや性質をご理解いただける方に。