85年発行。 カバーに経年劣化はありますが、グラビア面は良好です。 さて、まず被写体ですが確実な情報は得られませんでした。82年ミス日本とありますが、これはグランプリではありません。これはよくあることでして、「元ミス日本」を名乗る女性タレントはかなりの数いましたが、グランプリでない部門賞であることが多く、しかしこれは経歴詐称でなく表彰された者全員がその年のミス日本と称して良いという慣行が定着しているのです。なので、おそらく正しい表記として良いのでしょう。 次に表紙左下などに見られる「特別限定日本版」ですが、表紙のアルファベット表記、扮装が日本人が思う「外国人が好きそうな日本女性像」みたいなものばかりであることを考慮すると、海外に売り出そうとしたのでしょう。 撮影マイク岡田となっていますが、現在プレミア価格が付いているような大型企画の撮影をいくつも担当してきています。この方実は厳密にいうとカメラの専門家ではありません。出版社の編集部門出身で、企画の実体化が本来で、撮影はその延長上にあることでした。なので、海外市場を対象にしたグラビア写真集製作の仕掛人とであることも充分考えられることです。 この近辺の時代ですと、80年の映画「ザ・ウーマン」がフランスで公開された際、主演の佳那晃子は江戸の女義太夫役でしたが、佳那の妖艶なポスターがパリ中で盗難に遭ったそうです。岡田が知ってたかどうかはわかりませんが、まだ外国の日本についての知識が片寄っていた時期です。このショット構成はいかにもではないでしょうか。 ただ、企画そのものは成功しなかったのでしょう。実際に販売されたかどうかもわかりません。 この一冊は「珍品」の分類になるでしょうか。