ドヴォルザーク ①交響曲第9番ホ短調 op.95『新世界より』 ②序曲『自然の王国で』 op.91 ③序曲『謝肉祭』 op.92 指揮:カレル・アンチェル チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 録音:1961年 チェコ・フィルの第2の黄金期を飾った名指揮者:アンチェルの代表盤です。洗練され過ぎない木管や金管、引き締まった弦楽器、ティンパニやシンバルの絶妙な轟き、民族的な郷愁感を感じさせつつ、現代的な切れの良さもある、端正でみずみずしい演奏です。《新世界》の第4楽章では胸の高鳴りを抑えきれません。最新録音に負けない新鮮な音質も魅力です。1961年の録音とは思えない、きれいな細部感の十分にあるとても充実した音です。のびのびと、そしてめいっぱい、繊細かつ堂々たる音で鳴らせるアンチェルの至芸に脱帽です。 両親と妻子をアウシュビッツで虐殺された不幸を乗り越え、チェコ・フィル第２の黄金期を飾るも、「プラハの春」事件で亡命を余儀なくされ、北米で客死したこの悲劇の名指揮者。民族的な感興を保ちつつ現代的な感覚に貫かれた端正でみずみずしい演奏は、1960年代初期の録音とは思えない新鮮さです。 やや速目のテンポでどちらかと言うと淡々とした演奏ですが、要所要所でさりげなく特定の楽器を際立たせたり、僅かにテンポや表情の変化させ、立体的な響きにも事欠かないなど、正にこの曲を研究し尽くした演奏という趣です。また、木管、金管セクション内での音楽の統一性が素晴らしい。大袈裟な表現をするわけでもなく淡々とした中で聞かせるべきものはしっかりと聞かせて深い感動を与えてくれる、こういう演奏ができるのが真の名指揮者ですね。 数ある名盤の中でもかなり上位に来る演奏、だと個人的に思います。全体のスケール、構成感など安定しておりさらりと流しているようでじっくり耳を澄ませば多彩な表現力に驚きます。そしてなにより第1、第４楽章のティンパニの打ちこみのなんとキリリとして硬質な音で鮮烈な事、ケルテス盤やクレンペラー盤もいいですがこの演奏の方がそれを凌駕しています。録音も良いので是非、聴いていただきたいＣＤです。 国内盤【廃盤】帯無し、盤面傷無し ☆まとめ買い値引き致します(要事前コメント) 　追加1点に付き各150円引き 　10点以上は全品150円引き （単品購入での値引きはご容赦ください）