この度、私の秘蔵コレクションから出品するのは、1992年にOVAとして展開された**『流星機ガクセイバー・CHANCE』オリジナル・サウンドトラック（KICA 84）です。これは、当時隆盛を極めた「学園もの」と「巨大ロボット」という、二つの時代の空気を見事に融合させた、ある意味でエポックメイキングな作品**の音の記録と言えるでしょう。 『流星機ガクセイバー・CHANCE』サウンドトラック 解説 学園ロボットの「青春」と「熱量」のハイブリッド この『流星機ガクセイバー』は、当時ブームの兆しを見せていたOVA市場で、プロダクション I.Gがアニメーション制作を手掛けた、知る人ぞ知る良作です。物語の舞台は、突如出現した謎の敵「ワーキュリー」に立ち向かう国際アカデミア学園の生徒たち。いわゆる「日常の中の非日常」を体現した設定は、後の多くの学園SF、あるいはヒーローものに通じる古典的フォーマットを確立しています。 特筆すべきは、その音楽性。 メインテーマ「流星機ガクセイバー」や「紅の流星機」を手掛けるのは、アニメ特撮音楽のレジェンド、渡辺宙明氏。彼の奏でるサウンドは、70年代のスーパーロボットアニメの「熱血」と「ケレン味」をそのまま90年代の画に叩きつける、まさに「宙明節」の極致です。勇壮なブラスと、緊張感あふれるパーカッションの応酬は、主人公・羽柴当吉が駆るガクセイバーの躍動感を聴覚で完全にシンクロさせます。 しかし、本作の魅力はそれだけにとどまりません。 声優陣によるキャラクターソング「星のエール」（水谷優子）や、キャスト陣（林原めぐみ、水谷優子、玉川紗己子、折笠愛）が歌う「夜空の星が見ている」は、学園生活の**「日常」と「青春」の輝きを鮮やかに描き出しています。ロボットアニメでありながら、この「青春ドラマ」の部分に深い情感を注ぎ込んだのが、本作の最も先進的な点でしょう。 90年代アニソン黄金期のドキュメント *CDケース擦れあり