このカメラは、1955年に駿河精機株式会社が製造・発売した6×6判とセミ判兼用の距離計連動式スプリングカメラミハマシックスSの前期型です。 6×6判とセミ判との切り替えは、フィルム室内に内蔵されているマスクを使用することにより行います。従ってマスクの紛失の心配はありません。 因みに、駿河精機株式会社は1952年に賀茂郡三浜村（現南伊豆町）で創業した当時の社名は「三浜精工株式会社」でしたが、社名を1953年か1954年に「駿河精機株式会社」に変更し、1956年か1957年にかけて「ミハマカメラ株式会社」に変更しています。「ミハマ」モデルのほとんどが駿河精機によって製造されています。 ミハマシックスSの前期型は前蓋の革に「Mihama××6」と型押しされていますが、後期型では社名変更に伴い「MC」のロゴが型押しされています。また、前期型ではシャッターユニット取り付け部のたすきに旧社名のロゴ「MSK」が刻印されていますが、後期型では省略されています。 商品の作動は良好です。 ボディーには、経年の傷や汚れ、打痕、サビやメッキのはがれ、化粧革の剥離などがあり外観は余り良くありません。 距離環の位置が1㎜くらい右にずれています。 蛇腹はやや歪みがあり、また角角に痛みがありますが、まだ孔はないように見えます。 フィルムガイドローラーとガイドレールには汚れがあります。 圧板は概ね良好です。 セミ判用のフィルムマスクは特に問題ありません。 ファインダーはかなり曇っており、二重像がなんとか見えるレベルです。 シャッターは、コパル-MXのB,1-1／300で全速作動しています。 絞り、セルフタイマーにも問題ありません。 レンズは、C.KEPLER Anastigmat 75mm F3.5 で、コーティングの劣化により全般的に薄曇りがあります。 ＊諸元 レンズC.KEPLER Anastigmat 75mm F3.5 シャッター　COPAL MX B 1-1/300 with self timer フォーカス　連動距離計内蔵 全群繰り出し ファインダー逆ガリレオ式 0.8倍 フィルム送り赤窓式 寸法w: 139mm h:107mm d:48mm / 101mm *1 重量　約800g 発売年　1955年 発売時価格　14,000円