このCDは、古楽器演奏が主流になる前の時代の貴重な記録であり、ヴィンシャマンとドイツ・バッハ・ゾリステンの誠実で温かみのあるバッハ演奏を楽しめる名盤の一つ。BWV.1041〜1044までの協奏曲を1枚にまとめており、特にBWV.1043（二重協奏曲）、BWV.1044（トリプル協奏曲）といった複数の独奏楽器が絡む作品が連続して聴ける構成はバッハの対話的な作曲技法を堪能するのに最適です。ドイツ・バッハ・ゾリスデンは録音ごとに異なるソリストが参加するのが通例で、モダン楽器ながらバロック様式に配慮した表現（軽快なテンポ、明瞭なアーティキュレーション、対話的なフレージング）を重視しています。アルテンブルガーはウィーン出身の名ヴァイオリニスト、マイヤー=シールニングはバロック音楽に造詣が深い演奏家、マイゼンはドイツの名フルーティスト、クスマウルはベルリン・フィルのコンサートマスターを務めた名手、ヴァン・アスペレンはチェンバロ奏者として国際的に活躍。このように異なる世代・スタイルのソリストたちの高い技術と音楽性が光ります。 J.S.バッハ ①ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV.1041 ②ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV.1042 ③2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV.1043 ④フルート、ヴァイオリンとチェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV.1044 ヘルムート・ヴィンシャマン指揮ドイツ・バッハ・ゾリステン 【メンバー】 クリスティアン・アルテンブルガー（vn） 、エルンスト・マイヤー=シールニング（vn） 、パウル・マイゼン（f）、ライナー・クスマウル（vn）、ボブ・ヴァン・アスペレン（cemb） 録音：1979年 レーザーライト国内盤 （1994年製造） ※ケースにわずかにヒビがあります。