遠霞ノ峠 居眠り磐音江戸双紙 9 新たな局面が描かれる第9巻――浪人坂崎磐音が挑む剣劇と葛藤の物語！ 菜の花が咲き誇る春の江戸を舞台に、磐音の活躍は止まりません。関前藩の物産を積んだ一番船が嵐の中を無事江戸へ到着し、藩財政改革がいよいよ軌道に乗り始めます。しかし、藩内で暗躍する利高一派の影が磐音たちに迫り、再び剣が抜かれる時が――。人情味あふれる浪人磐音が、藩の危機を救うべく奮闘する姿が心を打ちます。 また、吉原では白鶴こと奈緒が「安永の三太夫」に選ばれるものの、その名声がかえって騒動を呼び込みます。磐音が奈緒を気にかけつつも手を差し伸べられない距離感が、物語に切なさを加えます。そして、秩父での用心棒としての活躍、鰻屋に奉公した幸吉への叱咤など、江戸と関前を結ぶ磐音の物語は読者の期待を裏切りません。 「居眠り磐音」シリーズ第9巻は、迫力のある剣劇と濃密な人間ドラマを織り交ぜた見逃せない一冊！ 江戸の街並みや藩内の権力闘争に隠された陰謀、そして浪人として生きる磐音の生き様。