定本　坂口安吾全集第4巻　小説Ⅳ　月報付き　1968年初版　冬樹社 この第４巻の時期は、安吾にとっては精神の疾風怒濤の時代としかいいようのない、烈しく暗鬱な試練と苦闘の連続のただならぬ季節であった。この季節の安吾の鬼気迫るような生き方は、三千代夫人の「クラクラ日記」や石川淳の「安吾のゐる風景」、檀一雄の「安吾の狂気」はじめ数々の文章に活写されている。 目次 ◇決闘 ◇淪落の青春 ◇出家物語 ◇ジロリの女 ◇無毛談 ◇遺恨 ◇アンゴウ ◇三十歳 ◇ニューフェイス ◇お魚女史 ◇織田信長 ◇死と影 ◇カストリ社事件 ◇火 ◇精神病覚え書 ◇日月様 ◇釣り師の心境 ◇勝負師 ◇行雲流水 ◇わが精神の周囲 ◇小さな山羊の記録 ◇退歩主義者 ◇肝臓先生 ●解説：奥野健男 ●『座談の文体－勝海舟と坂口安吾』加藤秀俊 ●解題：関井光男 函にヤケ(主に背)、ヨゴレ、背上部にツブレ、本体背文字にややハゲ、天地小口に若干のヨゴレ、見返しと奥付裏頁にごくわずかなシミ、奥付に購入日等の書き込みがありますが、本文はきれいな状態です。月報最終頁にヤケがあります。なお、加藤秀俊の帯文が切り取って挟んであります。