【研究資料】S.I.C.VOL.51 仮面ライダーディケイド ■ 研究対象：『仮面ライダーディケイド』のデザイン的再構築と多層性の表現 今回出品いたしますのは、日本を代表するトップクリエイター（原型製作：安藤賢司氏）が、独自の解釈と圧倒的な造形力で仮面ライダーを再構築するシリーズ「S.I.C.」より、平成仮面ライダー10周年記念作品の主人公、仮面ライダーディケイドです。 『仮面ライダーディケイド』は、「全てのライダーを破壊し、世界を繋ぐ」という極めて特異な役割を与えられた存在です。彼の能力は「カメンライド」による他ライダーへの変身、そして自身の最強形態「コンプリートフォーム」への変身と、非常に多層的かつ複雑な概念を内包しています。 本資料（フィギュア）の学術的価値は、このディケイドが持つ「破壊者」としての側面と、歴代ライダーの力を「継承・統合」する側面を、S.I.C.独自のデザイン言語（生物的なラインとメカニカルなディテールの融合）でいかに昇華させたか、という点にあります。 特に注目すべきは、以下のギミックです。 コンプリートフォームへの「換装」: 通常形態から、胸部・肩部に歴代ライダーのカード（ヒストリーオーナメント）を装着した最強形態への変形を、パーツ換装によって実現しています。テレビ本編のデザインを尊重しつつ、S.I.C.らしい密度感のある情報量へと高められています。 S.I.C.オリジナルギミック（最強コンプリートフォーム）： 本資料の白眉とも言えるのが、安藤賢司氏による独自解釈が加えられた「最強コンプリートフォーム」へのさらなる換装です。これは、ディケイドの「破壊者」としての側面をより強調した攻撃的なシルエットへの大胆なアレンジであり、S.I.C.シリーズの真骨頂と言えるでしょう。 精密なディテールと素材感: 変身ベルト「ディケイドライバー」の展開やカード挿入ギミックはもちろん、武器やアーマーの一部にダイキャスト（金属パーツ）を使用することで、フィギュアに重厚感とリアリティを与えています。これは、キャラクターの「存在感」を研究する上で非常に重要な要素です。 ■ 出品経緯 研究資料として、保管しておりました。パッケージ（画像参照）自体も、当時のデザインコンセプトや商品展開を知る上で貴重な情報源となります。