菊花と枝葉柄を着物全体に構成した平織の着物です。 商品名を平織と記していますが、手触りは平織りの大島にとてもよく似ています。 織り糸の撚りを見ますと、通常の大島紬の糸は甘撚りと呼ばれる緩やかな撚糸を使いますし、この着物も大島と同じ緩やかな撚糸で織られています。（写真7枚目） この着物生地の持つツルっとした手触りや光沢は大島と同様で、他の紬にはない特徴です。 大島の機械織りではないかと思ったりもしますが、５０年ほど前、室町の呉服卸会社にいた頃、足利や伊勢崎そして、その他の産地にもこのような織りの着物がありましたので、産地は不明としておきます。 この着物の織柄は、赤味の有る黄褐色や古代紫系の丸くてこんもりとした形の菊花とくすんだ緑色の麴塵（きくじん）色の枝葉を織り成しています。 それぞれの菊柄の色遣いは、それぞれの色の濃淡で織り上げ、ぼかし染めのような出来栄えです。 菊の花は、美しさや香りだけでなく、長寿を意味するおめでたい花で、着物柄としましては格調高い花柄なので、秋だけでなく、季節を問わずお召しになっていただきたい柄ですね。 薄いピンクかかった白い地に黒で作る細かな十字絣は着物全体を灰桜色の地色に変え、菊の花や枝葉を置いた上品で優しい印象の高い着物に仕上げています。 胴裏は白の羽二重、八掛は精華ちりめんを、紫みの明るい紅色の萩色を少し明るくした色目のボカシに染めています。 表裏とも正絹です。 寸法（単位㎝） 身丈（背）160　裄66　袖巾33.5　袖丈49　後巾30　前巾22.5　　バチ衿　 仕付け糸付きでシミ、汚れは無いようですが、左後ろ袖に織物特有の織りキズが見られます。（写真4～7枚目） 織物特有のものですので、当方では、難とは言い難いと思っています。 シミ、汚れ等は出来る限りチェックしておりますが、見落としのある場合もございます。 ご理解の程、お願いいたします。 デジカメの画像です。スマホやパソコンによって、色の違いがでることがありますので、ご了承下さい。また、カメラの特性で違う色になることが多々ありますのでお断りしておきます。 撮影に使用しました八寸帯と小物は今回の出品物に含まれていません。