2000年発見のコンドライト、北アフリカ産サハラ砂漠産の貴重なスライス。NWA869隕石は石質隕石の中では特におすすめの隕石です。 NWA869隕石は、2000年頃にアフリカ北西部(North West Africa)のサハラ砂漠で発見された石質隕石です。その特徴は多岐にわたりますが、特に科学的に興味深いのは、その成り立ちと成分です。 主要な特徴 分類: コンドライト(L3-6)に分類される石質隕石です。コンドライトは、太陽系の形成初期に溶けた岩石や金属が急激に冷えて固まった微小な球状の粒子である「コンドリュール」を含んでいるのが特徴です。 発見場所: アフリカ北西部、特にモロッコとアルジェリアの国境付近のサハラ砂漠で大量に発見されています。「NWA」という名称は「North West Africa」の略です。 成分: 主にカンラン石や斜方輝石といった岩石で構成されています。また、鉄分を含むため、磁石にくっつくという性質を持っています。 起源: レゴリス角礫岩(Regolith breccia)であり、複数の異なる隕石の破片が衝突や熱によって結合して形成されたと考えられています。このため、一つの石の中に異なる種類の物質が混在しているのが特徴です。科学的には「隕石の科学教室」とも呼ばれるほど多様な情報を含んでいます。 歴史: 地球に落下する際に大気圏を通過した際の熱と摩擦により、表面は溶けて固まった「溶融表皮(フュージョン・クラスト)」と呼ばれる黒いガラス質の層で覆われていることが多いです。発見された総量は2トン以上にもなり、大規模な隕石シャワーによって広範囲に散らばったと推測されています。
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