このカメラは、1940年末に富士光学工業株式会社（富士フィルムとは無関係）が発売した6×6判のスプリングカメラです。 外観構造はドイツのイコンタシックスのコピーです。 ライラシックスには、いくつかの型がありますが、この商品はフジコーF型シャッターが搭載されたライラシックスF型です。 因みに、フジコーシャッターには型名が表示されていないので、シャッター速度で型を判別します。 フジコーF型はT、B、1-1/200、フジコーA型はT、B、1-1/300、フジコーB型はT、B、5-1/250です。なお、A型、B型が搭載されているのはライラシックスⅢ型或いはそれ以前の型です。 ボディーには、経年の傷や汚れ、サビやメッキのはがれ、化粧革の剥離などがあり外観は余り良くありません。 特に、三脚座のネジが潰れているので三脚に取り付けできません。 蛇腹には、まだ孔はないように見えますが手荒に取り扱うといつ破れてもおかしくない状態です。 フィルムガイドローラーと圧板には少しサビがあります。 ファインダーは概ね良好です。 シャッターは、フジコーF型はT、B、1〜1/200で全速作動しています。 絞りの作動にも問題ありません。 レンズは、フジコーアナスティグマットテリオナー75mm F3.5で、内部に点々と塵が見えますが、画質に大きな影響はないと思います。 なお、このレンズはドイツ製とは比べるべくもなく、かなり収差が残っています。実写では美しい人はより美しく、年老いた人は4～5歳くらい若く写ると思います。 カメラケースとストラップはかなり劣化しています。おまけ程度にお考えください。 総じて、８０年以上前のカメラですが、まだなんとか実用に堪えると思います。 なお、商品画像最後のパンフレットは参考資料で商品ではありません。 ＊諸元 ライラシックスF型 レンズ　フジコーアナスティグマットテリオナー75mm F3.5 シャッター　フジコーF型T、B、1-1/200秒 120フィルム使用