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マーラー 交響曲第9番ニ長調 指揮:ブルーノ・ワルター ウィーン・フィル 録音:1938年1月16日 ウィーン ワルターはこの曲の初演者。だからと言って演奏が素晴らしいというわけではなく、晩年のコロンビア交響楽団とのスタジオ録音は決して凡演とは言えないものの、バーンスタインなどの他の指揮者による名演に比肩し得る演奏とは言い難い。しかし、本盤におさめられた1938年のウィーン・フィルとのライブ録音は素晴らしい名演。それどころか、古今東西の様々な指揮者による同曲の名演の中でも、バーンスタイン&コンセルトヘボウ盤とともにトップの座に君臨する超名演です。本演奏が超名演になった要因は、多分に当時の時代背景によるところも大きい。オーストリア(ウィーン)がナチス・ドイツに併合される2ヶ月前の歴史的なコンサート・ライヴ録音です。ナチスドイツによるウィーン侵攻が開始される直前のもの。ユダヤ人であるワルターとしても、身近に忍び寄りつつあるナチスの脅威を十分に感じていたはずであり、おそらくは同曲演奏史上最速のテンポが、そうしたワルターの心底に潜む焦燥感をあらわしています。同曲の本質は死への恐怖と闘い、それと対置する生への妄執と憧憬であるが、当時の死と隣り合わせであった世相や、その中でのワルター、そしてウィーン・フィル、更には当日のコンサート会場における聴衆までもが同曲の本質を敏感に感じ取り、我々聴き手の肺腑を打つ至高の超名演を成し遂げることに繋がっています。当時のウィーン・フィルの音色の美しさには抗し難い魅力があり、この名演に大きく貢献しています。 音楽評論家:宇野功芳氏 「これはもはや演奏などというものではない。第1楽章全体に響いているのはマーラーの肉声そのものだ。ワルター盤を耳にすれば、マーラーの第九は難解でもなんでもない。音が心に直接しみこんでくるからである。10分49秒あたりに鳴っているのは、とてもオーケストラの音とは思えない。これこそマーラーのうめき声ではないだろうか。」 84年前の録音ですが、歴史的録音を味わうのに障害になる音質ではありません。 国内盤【廃盤】帯付き、盤面傷無し 開封済みですが新品に近い美品です *まとめ買い値引き致します(要事前コメント) 追加1点に付き各150円引き 10点以上は全品150円引き (単品購入での値引きはご容赦ください)
4 個月前