滋賀県長浜市で織られた浜ちりめん（河籐縮緬１号）の白生地に、辻が花の絞りと染めを施した訪問着です。 変化に富んだ、流れるような曲線の道長取りの枠中に縫い締め絞りで辻が花柄を作り、さらに、白く抜いた道長取りの縁を平縫いして締めたのち、最近では、竹皮の代用としてビニールでの竹皮絞りを施した絞りと染めの着物です。 この作業は、縫い絞った糸の圧力で染料が生地に入るのを防ぐ纐纈(こうけち)と呼ばれる技法で出来上がった高級な訪問着です。 道長取りの辻が花の絞り柄を完成させて防染し、黄みがかった渋い赤色の紅唐色とグレーに染め分け、防染した後、着物の地色となる黄色がかった薄い赤色の朱華（はねず）色で引き染めしています。 絞り染めの染色技法の結果として残る絞りの立体感が目を引く、幻想的な美しい絵模様染めになります。 引き染めの工程では、熟練の職人が３丈（１３ｍ）の生地に、鹿の毛で作った刷毛でむらなく一気に染め上げるのですが、非常に高度な職人技が必要です。 幻の辻が花をこの機会にぜひお召しになってくださいね。 胴裏は白の羽二重、八掛は精華生地の紅唐色のボカシを使用しています。 表裏とも正絹です。 寸法（単位cm） 身丈（背）156　裄66　袖巾33　袖丈48　後巾32　前巾26.5　 広衿　薄い白生地で包んだスナップボタンが中央にひとつ付いています。 汚れは裏地に多く出ています。 左衿の折れ目付近に薄いファンデ跡（写真２，14枚目） 胴裏の背、衿より38ｃｍ下に汚れ（写真3,4枚目） 胴裏の左右袖付け辺りに汚れ（写真4,~6.10、15枚目） 衿裏に汚れ。（写真７、15枚目は衿裏） 右袖の裏地の裾に汚れがあります。（写真4,5 ,16枚目） シミ、汚れ等はできる限りチェックしておりますが、見落としのある場合もございます。 ご理解の程、お願いいたします。 デジカメの画像です。スマホやパソコンによって、色の違いがでることがありますので、ご了承下さい。また、カメラの特性で違う色になることが多々ありますのでお断りしておきます。