VPO史上初のモーツァルト交響曲全集の一部です。1980年代当時、古楽器を使ったピリオド・アプローチが注目され始めていましたが、レヴァインはモダン・オーケストラを使いながらも、楽譜に書かれている繰り返し（リピート）をしっかりと守る、オーケストラの編成をやや控えめにする（大規模にしすぎない）、弦楽器の配置を工夫するなど、当時の新しい研究成果や演奏のアイデアを積極的に取り入れています。とはいえVPOなので、ふくよかで温かい、艶やかな響きを大切にしています。さらに、速い楽章ではキビキビとしたテンポで、若々しいエネルギーや躍動感があります。①は情熱的で、若き「疾風怒濤」の激しさを力強く表現。 重厚でドラマティック。②はオペラ序曲のような勢いを持ち、軽快で華やか。 ③は明るく伸びやかで、優雅な美しさが際立つ。④はリズミカルで、溌剌とした喜びに満ちた演奏。⑤は機知に富み、洗練されたウィーンの魅力を発揮。以上、初期や中期の交響曲でも単なる軽い曲として扱わず、真摯で力強く表現しています。 モーツァルト ジェイムズ・レヴァイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 【CD1】 ①交響曲第25番ト短調 K.183 ②交響曲第26番 変ホ長調 K.184 ③交響曲第27番ト長調 K.199 録音：1985・6・8～10、ムジークフェラインザール、ウィーン DG国内盤（1987年製造） 【CD2】 ④交響曲第28番 ハ長調 K.200 ⑤交響曲第33番 変口長調 K.319 録音：④1984・6・18、⑤1986・9・29,12・19、ムジークフェラインザール、ウィーン DG国内盤（1987年製造）