釜ノ沢陶房で購入した作品です。 この作品は、焼きしめと言って古い形式の穴窯で焼き上げた、もっとも原始的で素朴なやきものでございます。 赤松の薪で最低五日間、千二百五十度の高温で焚きつづけますと、灰かぶり、火色、こげ、石はぜ等と言う景色が現れます。 これらは、窯の中を流れる炎が作り出したもので、窯焚きの日の天候、使用する薪、窯の中の雰囲気等によってそれぞれ焼き上りが異なり、一つとして同じものを作ることは出来ません。 陶工は、自然のもたらす窯変を期待し、ただただ窯に祈りつつ、焚きつづけます。「焼きしめ」とは、いわば土と炎のさずかりものと言えます。長くお使い戴きますにつれ、しっとりと落着いて、土の持つ美しさをお楽しみ戴けることと存じます。 焼きしめの器を御使用の際は、たっぷりの水に浸してからお使い下さい。 御使用のあとは、念入りに乾かしてからお納め下さい。