この演奏は、知的で構造的なブラームスを好む人には非常に魅力的だが、情熱や感情表現を強く求める人にはやや物足りなく感じられる。そもそもC.デイヴィスはカラヤンやバーンスタインのような華やかさはないが「誠実で筋の通った巨匠」という印象が強い。日本でも「派手ではないが長く聴ける指揮者」として敬意を持って受け止められている。個性的な解釈を求める方は物足りなく感じられるかも知れませんがぜひ一度聴いてみてください。 また世界指折りのオケであるバイエルン放送響は、その精緻で豊かな演奏で世界的に高く評価されているが、ヤンソンスと並んで首席指揮者として相性が良かったC.デイヴィスの指揮はその魅力を十分に引き出している。 サー・コリン・デイヴィス指揮バイエルン放送交響楽団 ブラームス 交響曲第1番ハ短調作品68 ハイドンの主題による変奏曲 作品56a 1989年録音 RCA国内盤（1991年製造）